if Infinity
「大体、どこの高校でも地元出身者を優遇したくなるものじゃないの?」


「なるほどな。そう言えば雪乃は中学時代はどんな感じだったんだ?」


「唐突ね。女の過去を詮索するのはあまり感心しないわよ?」


ケータイでメールを打ちながらそんな事を言う


「女の過去って・・・。中学時代、そんなに女って言えるようなことしてたのかよ」


「物の例えよ。そうね、どこにでもいる普通の中学生だったわよ?」


「普通ね~部活とかなんかしてたのか?」


「特に何も。友達に誘われて調理部に入ってたけど、だらだらお喋りしてるだけの部活だったし、やめたわ」


ケータイをポケットにしまい、自販機で紅茶を買う雪乃


「そか~けど、女の子ってそういう、お喋りとか好きなもんじゃないのか?」


「相手によるわね。仲の良い相手なら、何時間でもお喋りしてられるけど、そうじゃない相手だと、カラ聞きカラ返事ね。」


そう言いつつ、紅茶を一口、二口飲み、勇輝に勧めてくる


それを手で制し、勇輝は言う。


「まぁ、女同士ってのは、いつだってシビアだからなぁ~ほら、喧嘩なんかでも当人同士じゃなくて、気が付いたら仲良しグループを巻き込んだ大規模な喧嘩になったりさ」


「あと、喧嘩内容も結構陰湿だったりするだろ?」


「・・・そうね。その点、男同士は殴り合いだし、シンプルだけどさっぱりしてるわね。最近では、男でも陰湿なのもいるみたいだけどね」


「時代が変わってきてるのかね~」


そんな話をしていると赤信号に捕まり横断歩道で足を止めることになる


「ここの横断歩道さ~ 歩行者側の青の時間、かなり短いよな」


「そうね。1分もないんじゃないかしら」


「そう少し長くしてほしいよなぁ~俺、待つの大っ嫌いなんだが・・・」


「待つのが好きな人間なんているのかしら?でも、そんな待つのが苦手なあんたに私から耳寄りな情報よ」


唇に指をあて含み笑いの雪乃


「な、なんだよ?」


「あの、長い横断歩道のしましまラインを見てみて?」
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