神々と世界の狭間で
「……お姉さん。」

ここは一橋研究所の一室。とある研究員が使っていた部屋。

白いシャツに黒いスカートというシックないでたちをした少女、留衣はいた。

研究室の真っ白な椅子の上に小さな膝を抱えて。


「留衣ちゃん。こんばんわ。」

そう言ってニッコリと微笑み、歩みよって行く。

「こんなところで、何してるの?みんな、心配してたよ。」

……少しの沈黙。

そして留衣は口を開いた。

秘め事を打ち明けるように少し厳かに、しかし笑顔で言った。

「私ね。神様を探してたの。」

< 103 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop