神々と世界の狭間で
…私には愛羅の全ての記憶がある。

文字通り全ての記憶が…。

愛羅の小さい頃の記憶や、研究所に勤め始めてからの記憶。

そして愛羅が私を生み出してからの記憶。

私という存在がこの世に存在し始めてからの愛羅の記憶。

それは遺伝するはずのない記憶。


「私は二人いてはならない。」

それは愛羅の想い。


私は愛羅と別の存在として生まれたのではなかった。

愛羅がいなくなったことで存在する愛羅と同じものを持った存在。

私は愛羅という存在を内包して存在している。



…私の中にクローンの神様はいる。


私は零羅、零番目の存在。

始まりより先に存在する者。


いわばクローンのアダムやイヴより先に存在する者。
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