神々と世界の狭間で
今日の夕飯は揚げた鶏肉をいれて作った青椒肉絲みたいなものと卵と玉ねぎの中華風スープ、と先生が漬けたキュウリの漬物。

それを囲む食卓は俺とレラ二人だけだ。

先生は〆切が近いとかで部屋にこもったまま出てこない。

「綾、この味付けどうやるの?」

レラは俺が新しい料理を作る度にそのレシピを訊いてくる。

レシピを聞いて料理を自分のものにしたいようだが、失敗が多い、何故か上手くいかないようだ。

「味付けはオイスターソースと醤油、あと輪切り唐辛子を少し。」

レラはうんうんと頷きながら料理をつまむ。

「ホントは具材で筍もいれた方がいいんだけど無いから省略。」

レラの料理を見ていても何で失敗するのか分からない。同じ分量、手順で作っているのにどこか不味い。

…そういう運命なのかな。
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