神々と世界の狭間で
あれから、レラが一橋研究所の屋上から飛び降りて十年。

レラの部屋はそのままの状態で保たれている。

レラの部屋とは逆に世界には大きな変化があった。

レラが死んだ年、天災、伝染病による大幅な人口の減少。

国内の人口は半数になった。

そして今から五年前、クローン人間は世の中に公表された。

レラが会いに行ったという子供達だ。

国はその発表を受けて一年後、異例の速さでクローン人間も出産された人間と同じ人権を認める法整備を整えた。

それは極端に減少した年少人口比率を取り戻したいという思惑もあったのだろうけど。

今、世界にはオリジナルとクローン、二種類の人間がいる。

自分がオリジナルなのかクローンなのか、血液型と同じ様に皆知っている。

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