神々と世界の狭間で
クローンがいることが当たり前の世の中。

それが今の世界だ。

もちろん、私的なクローンは違法、クローンの出生は国が管理しているが…。

何故かはわからないが、レラの様にオリジナルの記憶を持ったクローンは報告されていない。

それを考えるとレラは本当に特別なクローンだったんじゃないかと、フと思ってしまう。

それとも、これからなんだろうか…。

「お父さん、綾兄ちゃん、急いで~。お寺行くよ。」

階下から可愛らしい声が響いてくる。

階段を先生と二人で降りていった。

「もう、お兄ちゃん遅いよ。」

玄関では花を持ったセーラー服を来た少女が立っている。

首には十字架のネックレス。

今年18歳になるクローンの少女だ。

最初に生まれたクローンの少女。

レラと会った双子の少女の片割れだ。

社会に適応する訓練という名目で先生の家で預かっている。

彼女は玄関を開けた。

眩しい陽の光が開かれた玄関から差し込んで来る。


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