神々と世界の狭間で
「っていうか、顔は?どんな顔だよ。」

「顔は………………。」

それから少しレラは黙ってしまった。

…どうなってんだよ。幽霊でも見たんじゃねぇだろうな。

「…思い出せない。」

「顔なんかそんなにマジマジ見ないわよ。」

……………。

「変な話すんなよ。幽霊でもいたかと思うとゾッとするじゃねぇか。」

笑い話のように切り返してみる。

とりあえず、この気味の悪い話題から抜け出したい。
レラはフゥと腑に落ちないような表情で息を吐くと、一度目を伏せた。

「まぁ、そんなこと私にはどうでもいいんだけどね。」

レラは洗濯物を畳みながら変な言い訳をする。

今になって考えてみれば、俺の隣に女がいたからってどうだっていいだろう。

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