神々と世界の狭間で
「あっぶね。」

レラが振り下ろした踵の場所にはくっきりと学校指定の内履きの踵のゴムの色が残っている。

あたったら痛いで済みそうにないなコレ…。

「次、変なこと言ったらあてるよ。」

レラの目は座っている。マジだなコリャ。

話題をパンツからそらした方が懸命だな。

「で、どうした?」

人の睡眠を邪魔するからにはそれなりの理由があるのだろう。

「どうした?じゃないよ。今、何時だと思ってるの?」

ん、無造作に胸ポケットから携帯を取り出して時間を確認する。

「17時36分。」

デジタルで表示されている時刻をそのまま読み上げる。このメーカーの携帯は時刻を自動補正してくれるからズレはないはずだ。

はぁ。

レラは呆れたようにため息を吐いている。

さらにはそのアホを見るような諦めの視線がなみなみと注がれる。

なんかあったかな?

思い当たる節は午後の授業をまるまるサボったことくらいだろうか。

「授業サボった位で踵落としはねえだろ。」

あんなもん当たったらとんでもねぇからな。

「はぁ?そんなことじゃないわよ。」

レラは未だアホを見るような目で俺を見ている。

「綾に授業出ろ、なんて言うわけないじゃない。」
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