神々と世界の狭間で
「放っておこう。そのうち帰ってくるだろう。」

…それでいいのかよ。

先生が楽観的なのか俺が心配性なのかは分からないが、今のレラは俺には放っておいちゃいけないように思える。

今、思い出してみると、冗談とかふざけているとかいった類いの雰囲気じゃなかったように感じられた。

「それでいいんですか?先生。レラのことが心配じゃないんスか?」

レラのことは先生が一番わかっている、とは思っていた。

それに親子のことには口出ししないように、とも考えていた。

レラが口にした「アイラ」という単語。

今回のことは親子の問題だろう。

俺が口出しすることじゃないのは分かっていた。

それに今起こっているのはただ、レラがまだ家に帰ってきていない、それだけのことだ。

それらは解っていた。

けど、俺の口からはキツイ口調で言葉が吐き出されていた。
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