神々と世界の狭間で
ガラガラガラ。

レラの家の引き戸を開ける。

「先生~。」

暗い家の中に俺の声が響き渡る。

…暗い。

家の中には一つの明かりも灯っていない。

「出かけたのかな?」

…こんなときに?

チカっ。

目の端で何かが光った。

「なんだ?」

光はリビングからだ。

とりあえず料理だけでも置いて帰ろうかな。

俺は暗いままのリビングに入り込んだ。

リビングのテーブルの上に何か光っているものがある。

…携帯か。

シルバーの折り畳み式の携帯が画面を発光させている。

レラの携帯ではないから先生のものだろう。

何気なく携帯の画面を覗き込む。

…地図だな。

町の地図と思われる画像とその中心には建物とRの表情がされている。

…この建物はなんだ?

地図の縮尺を縮める。
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