神々と世界の狭間で
「一橋研究所?」

俺は映し出された建物の名前を読み上げた。

…え?

一橋研究所の文字の下、さっきまでRの表示があった位置に「REIRA」の文字が表示されている。

…これってGPS?先生、レラのいる場所わかってたんだ。

それなら先生のあの楽観的な考えも納得がいく、けど…。

なんでそんなことを…?

静寂の中、俺は光る画面だけを見つめていた。

ピリリリ、ピリリリ。

突然、沈黙をかき消しながら音の波が押し寄せる。

それに同調し携帯も小刻みに震えている。

着信があったようだ。

携帯の画面を見て俺は直ぐに通話のボタンを押す。

携帯の画面にはレイラという表示が映っていた。

「レラ?何してたんだよ、こっちから電話かけても繋がんないし。」

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