神々と世界の狭間で
「こっちだよ。」と言い、先生は歩き始めた。

俺も先生の後について歩き出す。

建物の中は外観と同じで白で埋め尽くされている。

壁、天井、床、窓枠までも白で統一されている。

…なんか、病院みたいだな。

その白で埋め尽くされた空間には、雑菌の存在さえも否定しているような圧迫感がある。

俺がキョロキョロしながら歩いている間も先生は迷いもなく足を進めている。

ここには大分慣れているのだろうか。

何度か角を曲がり先生はある部屋の前で止まった。

「まぁ、入って。」

先生はそう言いドアを開けた。

俺は促されるまま部屋の中に入る。

ただ、部屋に入る瞬間、ドアに所長室と書かれたプレートが掲げられているのが見えた。
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