神々と世界の狭間で
4 愛と零
…さて、これからどうしたものか。

白衣に身を包んだ自分の姿を見たのなど、約10年ぶりだ。

そうだな。レイラが生まれて以来、こんな格好はしていない。

今座っている椅子、使っている部屋、それどころかこの建物も10年程は使われていない。

それなのにまるで今、掃除したかのように埃一つ落ちていないのは、あの頃と変わらずこの建物内の全てがコンピュータで管理されているからだろう。

電源さえ入っていれば掃除用のロボットが一日に一回は掃除にやってくる。

ここのシステムがまだ生きている証拠だ。

レイラがシステムを復旧させたのだろう。正確に言えば愛羅、愛君が、と言った方がいいのだろうか。

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