神々と世界の狭間で
「あぢー。」
レラと俺は肩を並べて歩いている。
18時過ぎであるが太陽は高く、夕暮れまではまだ時間がかかるようだ。
レラの家、その隣にはウチがあるわけだが、ソコまでは俺達が通う学校から徒歩で約10分。
本当なら自転車を使いたいとこだけど、学校の方針で何故か学校から半径2km以内に住んでいる生徒は自転車通学が認められていない。
だから俺はたとえ10分とはいえ汗だくになりながら歩かなければならない。
「暑いとか言わないでよ。余計暑くなるじゃない。」
そう言いながら横を歩いているレラの額にもしっかりと汗が滲み出ている。
下敷きを薄い鞄から出しパタパタと扇ぐが生ぬるい空気がゆらゆらと押し寄せるだけで涼しさは一切無い。
「とっととレラん家行って少し涼もうぜ。」
そう言いながら、涼しさを与えるという本来以外の使命を与えられた下敷きを鞄の中に捻りこむ。
「駄目。晩御飯までそんなに時間ないんだから。」
夕飯は七時から、コレも俺がレラん家で飯を世話になり始めた頃からのルールだ。
「買い物行かなきゃ、大丈夫だろ。」
冷蔵庫には多分一食分位の食料はあるだろう。
というか無きゃ買い物にでなければならないので困る。