神々と世界の狭間で
正直な話、レイラがこの施設にいるとわかった時は驚いた。

ここには一度も連れてきたことはない。

連れて来れるわけもない。

ここは愛君が亡くなった場所だからな…。

そもそも、レイラには愛君の話をしたことすらない。

だからレイラは愛君のことを知らないはずだ。

知らないはずなのに、何故レイラは研究所にいる。

頭の中が疑問で埋め尽くされる。

コンコン。

ん?

「所長。光本です。ご在室ですか?」

この声は…。

「どうぞ。」

ガチャ。

ドアを開けて入って来たのは。

……愛君?

いや、レイラだ。しかし、後ろで一つに纏めた髪、パンツスーツの上に羽織った白衣。

目の前にいるのが愛君ではないかという錯覚に陥る。
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