神々と世界の狭間で
数分後、自室で自分の目の前には綾君が座っている。

ここまで来てしまったのか。

ここまで来たら綾君には悪いがレイラを助けるために巻き込まれてもらうしかない、か。

率直に言ってレイラを救う為に一番適任なのは綾君だろう。

「もしかしたらレイラとの関係も今まで通りにはならないかもしれない。」

「それでも聞く気持ちはあるかな?聞いてなお今まで通りにレラと接してくれるかな。」

私は綾君に心の中でこう訊いた。

…綾君、君はレイラの為にレイラの秘密を知る覚悟、それを知ってもレイラを人として接してくれるかい?

少しの間の後に、綾君は静かに頷いた。

フゥ、と小さく息を吐き出す。

本当ならこのことは墓場まで持っていく秘密だと思っていた。
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