神々と世界の狭間で
そのモニターには片隅に置かれてある装置の中の映像が映される。

…これは…胎児か?

モニターに映されたのはすでに人の形を成し始めた胎児である。

さっき感じた気配はこの子のものか。

「いつ。このような事になったのかは分かりません。」

「気付いた時にはもう…。」

愛君はそう言って目を伏せた。

「この胎児のDNAを調べました。結果は…。

この子は私と同じDNAを持っています。

一個の生命体として見るならば、この子と私は同一人物。」

「この子は私のクローンです。」

愛君はそう言ってモニターに映る胎児に手を触れた。
「まさか…。」

この部屋にあるのは細胞を培養するための機械。

そんなものでクローンが…?

しかし、現実に起こっていることだ。

「どうする、つもりだい?」

今の世の中で人間のクローン化が認められてないことは愛君も十分にわかっているだろう。
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