神々と世界の狭間で
「もしかしたら。」

先生がうつ向いた目を少し上げて口を開く。

「愛君の記憶の中にいないことが、レラの記憶ににだけある人がいれば、その人と関われば。」

「そう思って綾君に全てを話した。辛いのなら投げ出してもいい。今日のことは忘れて家に帰りなさい。」

先生はそこまで言い、息を静かにゆっくりと吐き出した。何か決心をつけるように。

「このままでは、レイラは死ぬ。愛君と同じ様に。」

「レイラが言っていたこと、していた研究は愛君が亡くなる直前にしていた研究だ。」

「このまま関われば、レイラの死にも関らなければならないかもしれない。」

先生は確りと俺の目を見つめた。

「もう一度言うよ。辛いのなら投げ出して帰っても構わない。何もかも忘れて生きていきなさい。」

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