神々と世界の狭間で
その声は歳からは感じられない張りと響きがある。

真っ白くなった長い髪を後ろでまとめ、同じく真っ白い口髭と顎髭は綺麗に整えられている。

傍目に見ればダンディーなオヤジに見えるだろう。

奥の部屋にいたということは仕事をしていたのだろう。

ちなみにレイラはレラの正式な名前である。

光本 レイラ、それがレラのフルネームだ。

「先生、ただいまス。」

先生、俺はレラのオヤジさんのことを先生と呼んでいる。

レラのオヤジさん、先生はそこそこ名前の売れた小説家だ。小さい頃はどうだったか忘れたけど、記憶に有るなかでは俺は昔からレラのオヤジさんを先生と呼んでいた。

「今日は綾君の当番か楽しみにしてるよ。」

先生はそう言ってニカッと笑う。

「期待しないで待ってて下さい。」

俺はそう言いながらレラの後を追ってリビングに入った。
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