神々と世界の狭間で
暗闇の中、目の前に見えるのは光。
いつもの夢の中と同じ暗闇の中、いつかの様に光が近づいてくる。
私の形をした光。
暗闇の中、自分の存在さえ認識出来なかった私。
でも今はわかる。
ここにある自分の体が、自分に向かって近づいてくる光が。
光は私に触れた。
何も言わずただ私の頬を両手で包み込んだ。
「お母さんって呼んでもいいのかな?」
「アイラさんって呼ぶのも変な感じだし…。」
母は小さく微笑んだ。
目の前にいる私を生み出した母、それはただのアイラの記憶である。
魂なんてものではない。
不思議とそれがわかった。
「私は私でいいんだよね?」
私は母に母の記憶に訊ねる。
光は静かに私を抱きしめた。