神々と世界の狭間で
「ねぇ、綾。」
二人だけの食卓、空になった茶碗を下げようとする俺にレラは声をかけた。
「先週末ね、大きな施設みたいなところに行ってきたんだ。」
この時はレラが帰ってきてから1ヶ月くらい。
レラはすっかり落ち着いているように見えた。
「そこにさ。いたんだよね。」
レラの嬉しいような寂しいような表情、あんな表情は今まで見たことがなかった。
「私と同じような子達が…。」
………?
「私と同じような子達?」
レラは静かに頷いた。
「そう、私と…同じ。別の人からできた存在。クローン人間。」
その時に初めて知ったんだけど、レラの他にもクローン人間は存在していたらしい。
もちろん、公表はされていないが…。