神々と世界の狭間で
「レイラ?」

父が心配そうに私を覗き込んでいる。

「どうした?気がのらないなら、辞めておくか?」

「ううん、なんでもないよ。」

今は父が運転している車の中。

私達はある研究所に向かっている。クローンに関する研究所に…。

そこには数人の子供がいるらしい。

私と同じ、他の誰かから作られた存在…。

クローン人間が。

もちろんそのことは公表されていない。

非合法な研究所だ。

研究所の所長をしていた父はその方面には顔が広い。

研究所が閉められた後も情報は入って来ていたらしい。

今回のことも、父は誕生の時から聞いていたという。

家を出てから車で一時間ちょっと、それで研究所には着いた。
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