神々と世界の狭間で
非合法な研究をしているといってもそれは一部の話。

別の研究もしているらしいこの研究所は、私の生まれた一橋研究所より大きく、どこか明るい。

父は受付で人を呼んでもらっているようだ。

スーツ姿の父、背筋がシャンと伸びていて何処かを可笑しい。

少しして白衣に身を包んだ学者のような初老の男性が出迎えに来た。

「久しぶりだな、本間。」

親しげに父と男性は話している。

子供達の遊び相手。

私は今日そういう名目でここに来ている。

ただの遊び相手。

だからこれから会う子達がクローンだということを私は知らない。とうことになっている。

「こんにちわ」

男性が私にニッコリと微笑んで挨拶した。

優しい、父親みたいな顔に見える。

この人がここのクローンを作った人。

多分、将来この人がクローン人間の産みの親ということになるんだろう。
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