神々と世界の狭間で
父から聞いた話だが、数年したらここの子達のことを世の中に発表する予定らしい。

「杉本です。よろしくね。」

男性は名乗ると微笑んだ。

「光本 レイラです。よろしくお願いします。」

私は会釈程度に頭を下げる。

「光本…?」

杉本さんは私の事をマジマジと見つめる。

「もしかして光本愛羅くんの娘さん?」

「え?」

私は父を見る。私の顔は多分、困惑にみちているだろう。

「ああ、そうだ。」

父が杉本さんに向かいたしなめるような目付きで言う。

…あ。私はこの人を知ってる?

…いや、知ってるのは私じゃない。愛羅だ。

愛羅の研究員時代の記憶。
そこに杉本さんは姿をあらわしている。

悪い人じゃない。愛羅の記憶はそう言っている。
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