神々と世界の狭間で
「それじゃあ行こうか。」

杉本さんは少し反省したように私の方に向き直って言った。

杉本さんはコツコツと歩き始め、父も後に続く。

私も2、3歩離れた後ろを歩き始めた。

少し歩くとガラス張りの廊下からやたら広い中庭が見える。

緑の芝生と数本の広葉樹、そして二階建ての白い建物。

「これから行くのはあそこだよ。」

いつの間に移動したのか、杉本さんは私の横から中庭の白い建物を指さした。

「子供達はあそこで生活してるんだ。」

「あそこで?」

「そう、寝食も、学校も全てあそこで行なっている。」

杉本さんはそう言うと、また歩き始める。

どうしてですか?とは言えなかった。

理由は知っていたし、嘘を答える杉本さんは多少なりとも困るだろう。

それから少し歩いて私達は中庭の建物の入っていった。
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