神々と世界の狭間で
建物の中は学校と寄宿舎が一緒になった感じだ。

地下に伸びる階段もあったが、杉本さんはソレを説明しなかった。

多分、研究施設があるんだろう。

職員室と書かれたプレートがぶら下がった部屋に入ると、杉本さんは白衣を脱いだ。

「生徒達とは授業の後に、ということになってたから。ちょっと待ってね。」

杉本さんは父と私に席を進めた。

…生徒、杉本さん。確かに生徒と言った。

少なからず、切り替え、というものがあるんだろう。

「ところでレイラさんはクローンに興味があるんだって?」

「え?」

「本間さんから聞いてるよ。それでここの生徒達と…。」

それは父がついた嘘だろう。私をここの子達に会わせるために。

「ええ。」

そういう話になっているとは知らなかった。

父さんも言ってくれればいいのに…。
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