神々と世界の狭間で
「お姉ちゃん、私達に神様はいるの?」

二人の女の子は寸分の狂いもなく合わせた声で私に尋ねた。

自分の首にただぶら下がる十字架のネックレスを見つめながら。

「私達」、少女は自分達のことを私達と呼んだ。

だけど、私には私を含めた私達に聞こえた。

「オリジナルの人達は神様が助けてくれるんでしょ?」

「私達に神様はいるの?」

「神様は私達を助けてくれるの?」

少女達はつぶらな真っ直ぐな瞳で私を見つめていた。

その問いに私は答えられなかった。

私もその問いの答えを知らない。

私達に神様はいるの?

私は私に問いかけた。

…分からない。

「…お姉ちゃん?」

子供達が、私の次に生み出されたクローン達が私を心配そうに私を覗き込んでいる。

< 96 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop