もう1人のボク
「お前を傷付ける全てのモノを消す為だけに、オレは動いたんだ」

「でもっ、あんな結末、僕はっ…!」

「分かってる。オレは少しやり過ぎたな」

ボクは深くため息を吐き、僕を抱き締めてきた。

「あっ…」

「お前を守る為だったのに、お前を傷付けてしまったことだけが、唯一悔やむことだ。だから今回は動いていない。お前の為にならないことなんて、オレは絶対いしないからな」

その言葉は…イヤというほど、心に染みる。

「じゃあ…心当たりは?」

「うん…。希更という刑事はオレの信奉者だとか言っていたが、オレはそんなヤツを側に置いたつもりはない。少なくとも、模倣犯なんてことは絶対にさせない」

「じゃあ…お前も知らないヤツ?」

「多分、な。でも気に入らないなら、オレが探し出して、消してやろうか?」
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