もう1人のボク
僕は門馬さんと希更さんに、ボクを会わせた。

最初はシラを切っていた月夜だけど、僕が深く傷付いていることを2人から教えられ、表の世に出ないことを決めた。

そして2人の説得もあって、僕は家族から離れ、一人暮らしをはじめた。

…コレがもう2年も前の話だ。

事件を終わらせるのに、1年もかかってしまった。

死者こそ出ていないものの、心を殺された者は大勢いる。

未だに病院から退院できない者もいる。

家族だって、すでにバラバラで…。

僕は全てを失った。

…あの忌まわしい思い出がある土地から離れ、新たにここで暮らし始めたのに…。

それでもやっぱり、僕の罪は消えないのか?

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