もう1人のボク
ピンポーン

インターホンの音で、意識が現実に戻った。

玄関先のモニターを見ると、顔見知りの男女がいた。

僕はすぐに玄関に行った。

「お久し振りです、門馬(もんま)さんに希更(きさら)さん」

「久し振りだね、陽日(はるひ)くん」

「久し振り、ハルくん」

50代の男性が門馬さん。

30代の女性が希更さん。

2人とも刑事で、昔…僕とボクがお世話になった人だった。

「ちょっといいかな?」

「伝えたいことがって、今日は来たの」

2人は笑顔だが、どこか緊張感がある。

「はい、どうぞ」

だから僕は不安になりながらも、部屋の中に入れた。

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