もう1人のボク
「お前、このまま生かしておくと、後々アイツに危害を加えそうだな。早めに始末しておくか」

首を絞める手を緩めないまま、月夜は遊間の体を引きずり、手摺までやって来た。

「なっ何をっ…!」

「あっ? テメーが言ってじゃねーか。ここで飛び降りても、自殺になるって」

イヤな笑みを浮かべる月夜を見て、遊間は自分の危機を悟った。

「まっ待って! 俺は陽日に危害を加えない! キミに会えただけで、満足なんだから!」

「ウソつくな。コレもさっき言ってただろ? アイツの存在を否定するようなことを!」

「ひっ…!」

「アイツを傷付けるものは、全て消す。それがオレの存在する意味だからな」

遊間の体をいとも簡単に持ち上げ、上半身を手摺の向こうに押した。

「やっやめっ!」

「じゃあな」
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