St. Valentine's Dayの奇跡
「はぁ~
今年もまた恋の季節が襲ってくる……」
教室最後尾の机に突っ伏して、呻くように呟いた。
「ハハ、ナギサってば、ことしも玉砕する気?」
そんな情け容赦ない言葉を投げかけるのは、幼馴染みの飯島舞。
彼女とも小学校からの付き合いだ。
何を隠そう、『ナギサってシノブが好きなの?』とか言ってあたしを忍から遠ざけた張本人。
「昔っから、ナギサはシノブ一筋だもんね」
こんな、心無い言葉も平気で投げつけてくる。
彼女曰く、『あんまりお似合いで仲良しだったからからかった』ということらしい。
いい迷惑だよ。