St. Valentine's Dayの奇跡



『ごめん、今何処?これから合流する』

歩きながら、舞にメールした。



その後、あたし達は、予定通りバレンタインのチョコ作りの材料を買った。

舞には、さっき行き着いた教会のこと、出会った神父様のこと、貰った小瓶のことも話した。


「嗚呼、その教会、あたしも一度行ったことある。

みっちゃんに誘われて、日曜学校に」


驚いたことに、舞もその教会を知っていて、みっちゃんに誘われて行ったことがあると言う。


「でもさ、みっちゃんて、3年の時に急に死んじゃったじゃない」

「えっ、そうだったっけ?」

「そうだよ、何でも、白血病とか……

先生に連れられて、クラス全員でお葬式に行ったじゃん」


そういえば、そうだったような……


年取った先生だったから、小児癌とか血液癌とか説明しずらくて、子供に分かりやすいようにとか考えて、白血病って言ったのかも。


『えっ、血が白くなって死んじゃう病気?』なんて、ちょっとびっくりした記憶が……


でも、あたしの記憶の中では、みっちゃんは楽しそうに笑ってケーキを食べていて……

みっちゃんは何時までもあたしの中では、あの時のみっちゃんなんだ。
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