St. Valentine's Dayの奇跡
「あたしさ、たとえシノブがあたしのことを好きになってくれなくても、それでもいいんだ。
なんか、あの教会で祈りを捧げたら、そんなことはもうどうでもいいって気持ちになっちゃった。
シノブをすっと好きでいられるようにって、あたしがシノブを好きな気持ちを大切にしようって」
「ナギサァ~それ切な過ぎるぅ~
ナギサがこんなに想ってるっていうのに、あの鈍感サッカー馬鹿めが!」
舞はあたしの手をしっかと握り締め、目を潤ませてシノブを毒づいた。
「あたし、きっと、そんな鈍感なとこも好きなんだよ……
ハハ……もう、救いようないね」
あたしは自分の言葉に自分で納得して、好きの気持ちが溢れていく。