St. Valentine's Dayの奇跡
「あたしが好きって、迷惑?」
あたしの告白が、そんなにショックだったかと不安になった。
「えっ?」
「だって、なんか、シノブ変だよ」
「変だよな。
俺もそう思う。
なんか、こんなに嬉しいって……俺ってこんなにお前のこと好きだったのかな」
「えっ?」
「先週、お前に『今年は本命チョコ渡す』って言われてから、俺、気になって気になってさ。
ナギサの相手は誰だ、俺のナギサに手出す奴は誰だって。
何でそんなに気になるのか自分でもわかんなかった」
「ハハ……」
「ナギサに彼氏が出来たら、もう今までみたいに関われなくなるなって。
なんかすっげぇ寂しくて、イライラして」
「あたしは、ずっとシノブが好きだったよ。
小学校の時からずっと」
「もしかして、俺って鈍感?」
「自覚してよ! 超鈍感男!」
あたしの真っ直ぐな気持ちが忍に届いたのかな。
どれくらいだろ……
忍は何時にない優しい眼で、あたしをじっと見つめてくれていた。
「キスして、いい?」
躊躇いがちにシノブの顔が近づいてきて、あたしの唇にそっと触れた。