St. Valentine's Dayの奇跡
あたしは、あたりをキョロキョロ見渡して、神父様の姿を探す。
教会の壁にはいくつか扉があって、多分、その何処かに神父様はいらっしゃるんだろう。
「こんにちは、神父様、いらっしゃいますか?」
あたしは、吹き抜けのチャペル全体に響き渡る大声で、神父様を呼んだ。
「ナギサ、ちょっと声、大き過ぎない?」
舞がちょっぴり恥ずかしそうに、あたしのことをつついた。
そして……
扉の一つか静かに開いた。