St. Valentine's Dayの奇跡
雨のある日、久振りにあいつと帰りが一緒になった。
そろそろ、進路面談も近づいた頃のこと。
「ねぇ、シノブ?進路決まった?」
あたし達の話題も何気なく、進路のこととなる。
「嗚呼、城南高校。あそこ、サッカー強ぇから。推薦もらえるみただしさぁ」
「そ、そっかぁ~良かったじゃん。って、城南て男子校じゃん?」
「あったりめぇだろ、サッカーに女は必要ねぇ」
その時あたしの受けたショックを想像してくれたまえ。
忍の志望校を聞いてどうしようと思ったんだろ、って今思えば不思議だけど。
手の届く範囲なら、頑張ってみようかな、なんて乙女心があったことは否めない。
そんなわたしの思いを打ち砕いた忍の言葉。
忍と一緒に高校に通える可能性がゼロになった。