恋愛マニュアル
「宮村浩太でしょ?てか、また勝手に入ってきたんですか?」
「何回チャイム鳴らしても出てこなかったお前が悪い。」
そう言っておでこをピッとはじかれた。
「近いんですけど…!」
目の前の顔をよけようとどうにか宮村浩太の肩をぐっと押してみる。
が、びくともしない。
「それに、鍵、かかってなかったけど?」
どんだけ無用心だよ。
と付け加えられた上に両手を拘束されて
「変な奴が入ってきたらどうすんだよ。」
って…
あんたも充分変だよ!!!!
とは言えず、
「いいから降りてください。」
「なんで?」
はい?
何でって…
逆になんで?と聞きたい。
「良いじゃん。このまま…。」
あたしの両手を拘束していない方の右手でそっとあたしの頬を撫でる。
「なっ!ちょ!!!」
意味がわからない。
今のこの状態も、宮村浩太のこの行動も、ドキドキしてるあたしの心臓も。
全部意味がわからない。
段々と近づいてくる宮村浩太にあたしの顔は、真っ赤でもあり真っ青でもあるはず。
「やめろーーー!!!」