恋愛マニュアル


「夏休み中のこと説明するから座れ。」



命令口調も若干気に障るけど、そこにはあたしもあえて触れず大人なしく机の前に座った。




「俺が来るのは月、水、金の週3回。ちなみに6時から8時までの2時間。」



持ってきたカバンからプリントを取り出すと今後の予定を細々と話し出す。




「K大志望だったよな?」



「は、はい…。」




突然の質問に、まさか無理ってまたバカにされるんじゃないかと少しドキドキした。



でも違って…



「ん、そしたら本気で頑張るぞ。絶対俺が受からせてやるから。」



って自信満々の顔で言われて。



思ってもみなかった言葉にあたしは驚きを隠せず、さっきまでの自分の中で張り詰めていた緊張もいつの間にかなくなっていた。




「どうして、そんなに自信あり気なんですか?」



「だって俺が教えるから。」



キッパリとそう言う宮村浩太が本当にすごい人に思えてきた。




そして、


「だから頑張るぞ。」



って突然優しく頭を撫でられたんだ。


こんなこと、慣れてないあたしはきっと真っ赤だろう。



どうして、恥ずかしいことをこう、何の迷いもなく出来るのか…



男ってそういうもの?



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