恋愛マニュアル



部屋につくなり、さっそくお茶を飲み始める宮村浩太…先生。



うん、一応家庭教師なわけだし。


先生って呼ばなきゃ…ね?



「んーっと何が苦手なんだっけ?」



「…数学。」




「なるほどなー…。よしやるか!」



そう言って飲んでいたお茶を一気に飲み干すとあたしの教科書をぱらぱらと見始めた。



「ふーん。」


それだけ言って教科書を閉じた。



「へ?」



「これは使わねー。」



「へ?」



さっきからへ?しか言ってないあたしだけど、実際教科書を使わないで何をするんだろう…


きっと今のあたしの頭の上にはクエスチョンマークがたくさんあるはず。




「俺が教えるから教科書なんていらねーよ。」



ってまた余裕な笑みで。




いやいやいや!


大丈夫ですか?



「…お前、疑ってんな。」


「当たり前じゃないですか。」



即答。



だって教科書も使わないで…


大丈夫なんだろうか…



少し不安な顔を見せたあたしを見てか先生はフッと笑って鞄から何かを取り出した。

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