恋愛マニュアル



「これ。」



取り出したのは青色をした一冊の薄いテキストのようなもの。



「へ?」


本日3回目。



それが何だって言うの?



手に持ってるテキストをペラペラとめくりながら



「これ、使うから。」


って…



「なんだ、教科書じゃなくてテキストか…」


安堵にも似たため息が出た。


テキストがあるなら大丈夫そう…



「でも…それ、何か薄すぎません?」



先生が手にしている青色のテキストはきっと教科書の半分以下の厚さ。



受験に向けてそんなテキストで大丈夫なのだろうか、と少し不安になってしまう。



「お前なー厚けりゃ良いってもんじゃねーよ。これは要点だけを完璧におさえた受験必勝テキストだぞ。」


って、かなり自信ありげな様子。



「それに、K大対策のテキストだし。」



お前、K大だろ?



そう言いながらニッと笑う。



…?




「そうですけど…何か?」



「ん?べっつに~?」



……。




何、今の妖しげな笑みは。


明らかに別にではないことはあたしでもわかる。




ま、いいけど。


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