恋愛マニュアル
「とりあえず30分で10ページ分やってみろ。」
「は?30分で!?」
「そう。」
30分で10ページ!?
待って。
それはなくない?
「先生…あたしの成績、聞いてます?」
「ああ。」
「それでこの課題ですか?」
「うん。」
さっきからあっさりと答える先生は本当にあたしができると思ってるんだろうか?
あたしの実力じゃせいぜい5ページが限界。
それなのに…
「いいからさっさとやる。ほら、30分測ってやっから。」
半ば無理やり机に向かわせた先生にしぶしぶ、と言った感じであたしはテキストを広げる。
だけど、バカにされるのもいや。
やれるだけやってみよう。
そう決めたあたしは先生の合図とともにシャープペンシルをギュッと握り締めた。