恋愛マニュアル



「今日はちゃんとケーキ買ってきたし~。」


なんて少しルンルンで冷蔵庫を開けて、アイスコーヒーもおっけい。



今日は一段と暑いからね。


なんて独り言。


現に今日のあたしはTシャツにデニムのショーパンといったとても涼しさ重視の格好。


おまけに長く伸びたロングの髪もアップにまとめている。



早く来ないかな?



さっきから何度時計を見たことか。


そのたびに5分しか進まない時計の針にため息が漏れる。



「って!あたしどんだけ楽しみにしてるわけ?」



ないない。


自分に自分で言い聞かせるように首をブンブンと横に振る。



そんなとき



ピンポーン




チャイムだ!



玄関へと急ぐ足。


自然と駆け足になっていることにあたしは気づいていない。



「はーい!」



緩みそうな顔をキュッと引き締め玄関のドアを開ければそこには先生。



「こんばんわ。」



「わり、ちょっと早く着いた。」



いつもは6時に来る先生。


そう考えたら今日は少し早いかもしれないけど、あたしにしてみれば全然そんなことはなくてむしろ少しだけ嬉しいかも?


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