恋愛マニュアル



可愛いなんていわれて嬉しくない女の子はいないよ、きっと。


それが好きな人だったらなおさら。





……ん?



え…?




「ええええええ!?」



「うわ、何だよ急に。」



片耳を押さえながら迷惑そうな声を出した先生の声も、今はあたしの耳には届かない。



あたし、今、なんて言った?



あれ…?



今…



好きな…人って?




ウソ…え…




待って待って待って!




あたしって先生のこと好き…だっけ?



ていうか好きだったの?




どんどんどんどん早くなる胸の音と、火照りだした顔。




いつから?なんで?どうして?




「おい、なんだって聞いてるんだけど。」



「え…何でもない…。」




あたしが先生を…好き?



まだ会って一週間…



ウソでしょ?




…好き…なの?




「先生…あたし…ダメみたい。」



「何が?」



「ダメだよ。」



「だから何が。」



ダメ…



ダメ。



好き。



考えれば考えるほど、大きくなる気持ちに自分でも気づいた。



好き…なんだ。



好きだったんだ。


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