恋愛マニュアル


思いっきり部屋着だったあたし。


せめて何か着ておけばよかった!



そう後悔しながら、部屋のクローゼットを力まかせに開く。


あんなにイケメンだなんて思わなかったし、第一今日からなんて急すぎじゃない?




ええっと…



確かワンピースは…っと。



あったあった。



あたしは着ていた部屋着を脱ぎ捨て、ワンピースを着る。



「そんな慌てて着替えることないんじゃない?」



「キャアア!」



突然声をかけられて、未だにワンピースを着終わってないあたしは焦って袖に腕を通す。



「何してるんですか!?」



何故か玄関にいたはずのこの人は今、あたしの部屋の扉に寄りかかってこちらを見つめている。



「待っててくださいって…」



「客人待たすのはどうかと思うよ?」




「はい?」



< 4 / 37 >

この作品をシェア

pagetop