恋愛マニュアル
思いっきり部屋着だったあたし。
せめて何か着ておけばよかった!
そう後悔しながら、部屋のクローゼットを力まかせに開く。
あんなにイケメンだなんて思わなかったし、第一今日からなんて急すぎじゃない?
ええっと…
確かワンピースは…っと。
あったあった。
あたしは着ていた部屋着を脱ぎ捨て、ワンピースを着る。
「そんな慌てて着替えることないんじゃない?」
「キャアア!」
突然声をかけられて、未だにワンピースを着終わってないあたしは焦って袖に腕を通す。
「何してるんですか!?」
何故か玄関にいたはずのこの人は今、あたしの部屋の扉に寄りかかってこちらを見つめている。
「待っててくださいって…」
「客人待たすのはどうかと思うよ?」
「はい?」