ストリートチルドレン
どうしたの
ゴホッ
「ママ」
私『ラオ』は当時、2歳だった
「ママ」としか喋れなかった
ゴホッ・・・
「ママ、ママ」
咳で返事をする母
「大丈夫だからね」
病弱な母
貧乏だから病院にも行けない
「ママ」
「ラオ、お水を汲んできて」
私はコクリ、と頷き、バケツを両手に持つ
500mほど離れた井戸
2歳の私には、とてもつらいものだった
「お、どうしたの、ラオちゃん」
井戸に着くまで、たくさんの人が話しかけてくれる
そのたびに私は「ママ」と言った