【短】最高の一日
そう、すっかり忘れてたけど、
相楽は弓道部の部長を務めている。
大会が近いということも、
どこかで耳にした気がする。
その相楽が、五時間目の途中から
今まで、ずっと私に付きっきり
だったということは……
「お前は何も気にしなくて良い。
……ほら、行くぞ」
(相楽――――……)
私の考えを察したのか、相楽は
それだけ言って私を立ち上がらせると、
スタスタと歩き出した。
しかし、私の足は
止まったまま動こうとしない。
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