【短】最高の一日



私が余程不思議そうな顔をしていたのか、
相楽は眉間に皺を寄せて、


「お前を探していたんだ」

と、ふてくされたように言った。


「え、でもまだ授業は……」

「授業なら、腹が痛いと
 嘘を言って抜けてきた」

「えぇぇえ!?」




相楽が……


あの生真面目なことで有名な相楽が……


授業をサボった!?!?




「おい、あまり大声を出すな;
 教室まで響くだろう!」

「あ、ごめん……」


驚きすぎて、予想以上に大きな
声で叫んでしまったらしい。

屋上と教室がさほど遠くないことに
気付き、私は慌てて右手で口を塞いだ。




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