《短編》聖なる夜に
『…いや、てかキョドられても困るし…。』
まるで自分の言葉を誤魔化すように、近藤くんは言葉を並べる。
『…つーか、そんな固くならないで?
って言っても、無理だよね?』
“あははー”と笑って見せられても、あたしは固まったまま動けない。
『…俺のこと、嫌い?』
「…“嫌い”とかじゃないけど…。」
言葉を濁してみても、次の言葉が思い浮かばない。
そんなあたしに、近藤くんの方が先に言葉を見つける。
『…じゃあ、イブの日まで待つよ。
その間に、考えてくれない?』
「―――ッ!」
『…イブの日のホームルーム終わったら、またココで待ってるから。』
それだけ言い残し、近藤くんは爽やかな風と共に去った。
やっと気の抜けたあたしは、水の中から上がったように、大きく深呼吸をする。
“つーか、好きだから付き合ってください”
だけど思い出してみても、顔から火が出る。
いや、実際出てる。
エイジは、こんなこと死んでも言わない。
てゆーか、“好き”なんて、エイジに言われたことがない。
もちろんあたしだって、言ったことがない。
考えてみると、また虚しくなった。
近藤くんは、何度か委員会で話したけど、すっごく良い人だった。
きっと、そんな人と付き合えたら、楽しいに違いない。
だけどあたしの心を埋め尽くしているのはいつも、エイジなんだ。
だけどもぉ、それが嫌。
きっと“別れる”なんて言っても、エイジは顔色一つ変えないだろう。
“ふ~ん”とかで終わる。
そんなことを考えているうちに、また虚しさは増した。
まるで自分の言葉を誤魔化すように、近藤くんは言葉を並べる。
『…つーか、そんな固くならないで?
って言っても、無理だよね?』
“あははー”と笑って見せられても、あたしは固まったまま動けない。
『…俺のこと、嫌い?』
「…“嫌い”とかじゃないけど…。」
言葉を濁してみても、次の言葉が思い浮かばない。
そんなあたしに、近藤くんの方が先に言葉を見つける。
『…じゃあ、イブの日まで待つよ。
その間に、考えてくれない?』
「―――ッ!」
『…イブの日のホームルーム終わったら、またココで待ってるから。』
それだけ言い残し、近藤くんは爽やかな風と共に去った。
やっと気の抜けたあたしは、水の中から上がったように、大きく深呼吸をする。
“つーか、好きだから付き合ってください”
だけど思い出してみても、顔から火が出る。
いや、実際出てる。
エイジは、こんなこと死んでも言わない。
てゆーか、“好き”なんて、エイジに言われたことがない。
もちろんあたしだって、言ったことがない。
考えてみると、また虚しくなった。
近藤くんは、何度か委員会で話したけど、すっごく良い人だった。
きっと、そんな人と付き合えたら、楽しいに違いない。
だけどあたしの心を埋め尽くしているのはいつも、エイジなんだ。
だけどもぉ、それが嫌。
きっと“別れる”なんて言っても、エイジは顔色一つ変えないだろう。
“ふ~ん”とかで終わる。
そんなことを考えているうちに、また虚しさは増した。