《短編》聖なる夜に
不信感
“次の授業、サボる”
そんなメールが入っていた。
なので、あたしも。
行く場所は大体、誰も来ない非常階段。
「―――おはよ。」
『おー。』
ポケットに手を突っ込んで身を縮めて近づくあたしに、エイジは食べていたパンを持ち上げて声を上げる。
その横に腰を下ろし、あたしは次の言葉を掛けた。
「…昨日の夜、何やってたの?
電話したけど、出なかったじゃん。」
『…掛け直した時、亜紀だって出なかったじゃん。』
「…そりゃ、あんな遅くに電話くれても、寝てるって。」
最近のエイジは、夜に電話しても出ないことが多い。
待ってるのもシャクだしってことで、あたしは寝る。
で、朝起きると着信があるんだけど、時間は大体夜の11時を過ぎた頃。
一体、何をやってるんだか。
『…で?
何だったの?』
「…別に用なんてないよ。
暇だったから電話してみただけだし。」
『ふ~ん。』
って、またそれで終わらせるのか。
もぉ認めるけど、あたしはコイツが好きだ。
でも、コイツはそうじゃないっぽい。
だけど“軽い付き合い”の約束だから、あたしは何も言わない。
だって、傷つきたくはないんだもん。
“何やってたの?”って、聞くのが怖い。
そんなメールが入っていた。
なので、あたしも。
行く場所は大体、誰も来ない非常階段。
「―――おはよ。」
『おー。』
ポケットに手を突っ込んで身を縮めて近づくあたしに、エイジは食べていたパンを持ち上げて声を上げる。
その横に腰を下ろし、あたしは次の言葉を掛けた。
「…昨日の夜、何やってたの?
電話したけど、出なかったじゃん。」
『…掛け直した時、亜紀だって出なかったじゃん。』
「…そりゃ、あんな遅くに電話くれても、寝てるって。」
最近のエイジは、夜に電話しても出ないことが多い。
待ってるのもシャクだしってことで、あたしは寝る。
で、朝起きると着信があるんだけど、時間は大体夜の11時を過ぎた頃。
一体、何をやってるんだか。
『…で?
何だったの?』
「…別に用なんてないよ。
暇だったから電話してみただけだし。」
『ふ~ん。』
って、またそれで終わらせるのか。
もぉ認めるけど、あたしはコイツが好きだ。
でも、コイツはそうじゃないっぽい。
だけど“軽い付き合い”の約束だから、あたしは何も言わない。
だって、傷つきたくはないんだもん。
“何やってたの?”って、聞くのが怖い。